『ともに考動しよう!
~想い描くまちの未来のために!~』
第57代 理事長 西岡 政則
【はじめに】
私の家族には青年会議所の経験者はおらず、青年会議所がどのような団体なのかを聞いても、飲み会が多く、お金がかかる団体、社長や役員、大きな企業の職員が入る団体などなど、マイナスな面を多く聞いてきました。私は、何年かお誘いもありましたが、親とともに2014年に起業するタイミングで入会をさせていただきました。入会はまだ早いとも親に言われながらも、今後の自分の姿を考えた時、「今のままで良いのか?」って、何度も考え、自分にはプラスになる事の方が多いだろうと思い入会をさせて頂きました。青年会議所がどの様な団体で、どの様な活動をしているのかは入会してから知りましたが、青年会議所の先輩方には、仕事柄多くの方々にお世話になっておりますが、異なる職種の多くの方々との繋がりや多くの学びの機会を頂き、卒業をしても、まちのため事業や祭事、イベントなど多くの物事に関わり、前線で活躍している先輩方を尊敬いたします。入会してから、2020年に突如として現れた新型コロナウイルスは、全世界で猛威を振るい、経済や人々の当たり前の日常が失われ、日々の生活様式は様変わりしました。経済が再び動き出し、物価の高騰や人不足が顕著に表れているなか、青年会議所の活動は、社会情勢に順応しながら明るい豊かな社会の実現に向けて、まちの発展を創造する組織として歩みを止めてはなりません。何が出来るのか、何が求められているのか、ともに考動し、より良いまちの未来を想い描き、地域の課題解決へ向けた運動事業を展開するために、組織力の向上と多くの人財を手繰り寄せ、青年として積極的に行動することで、多彩な輝きが放つ地域の変革の起点になる組織となり、新しい次代のリーダーの創出と、子ども達をはじめ、まちが夢や希望で満ち溢れるまちを創造しましょう。
【次代を切り拓く会員拡大】
1969年、「青年経済人としての成長は地域経済発展の基盤であり、自己の修練に励むことは、また、より良き地域社会を築く原動力となるものと確信いたしますが、さらに一歩進んで、激動する経済社会の現象にも視野を広げ、より次元の高い修練の場である青年会議所をとおして、組織的機能を完備し、青年としての英知と勇気と情熱をもって活動力を傾注し、日本青年会議所の主旨である社会的、国家的、国際的見識を高めるべく、ここに栗山町の若き有志の結束をはかりたく、栗山青年会議所の設立を企画いたしたしだいであります。」と、当時の青年達は志高く自身の成長と地域の発展を望み設立しました。いつの時代も、「まちのため」「ひとのため」自身が住み暮す「まち」の明るい豊かな社会の実現に向けて、若さと行動力のある20歳から40歳で構成され、新陳代謝を繰り返しながら地域の課題解決に向けて行動し、今日まで青年会議所運動は紡がれています。先達の方々が永きに渡り築き続けたこの地域を、より豊かな地域へと発展とし、次代へバトンを渡すためにも、地域の多くの青年を巻き込む必要があります。明るい豊かな地域の実現に向けて、持続可能な発展を推し進める組織であるために、日々変わる情勢に応じた組織基盤を構築するとともに、多様性を受け入れ地域を想い行動する新たな人財を加える事で、地域の課題解決に向けて多角的な視点から考動することで、会員20名体制を達成し、魅力ある組織へ昇華するべく、何事にも失敗を恐れずにともに挑戦しましょう。
【会員資質向上】
近年、入会年数の浅いメンバーや新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の参画や構築に携わる期間が少なく、関係する人々との繋がりや、メンバー間の繋がりも薄れつつあります。明るい豊かな社会の実現を目指し、入会の浅いメンバーや地域の課題解決に向けた運動や事業を行ってきたメンバーとともに、これからの青年会議所の在り方や、組織として、メンバーとして、認識する時間を創出することで、ひとり一人がJAYCEEとしての責任と自覚をもち、地域を想い行動し、運動を展開する組織となる必要があります。日々変化する情勢のなか、いま一度メンバーの結束力を高め、組織としての底上げを行い、地域を想いともに躍動する同志とし、入会年数の長い、浅いではなく、繋がりや信頼関係を強靭なものとし、個人と組織力の双方の輝きを高め、より良い地域の創造に向けた運動・事業を生み出し、メンバーの輝きとともに地域の輝きを創出しましょう。
【地域の魅力向上】
南々そらちを成形する基幹産業の多くは農業であり、豊かな水資源と肥沃な大地により収穫される大自然の恵みは、地域の発展には欠かせない数多く存在する魅力の一つであります。近年では、都会から自然を求め移住をしてくる方や、新規就農やセカンドライフとして選択肢の中に、南々そらちは候補として挙がっています。この地域に心惹かれ、来町する動機は様々でありますが、潜在的な魅力や価値が数多ある地域であります。その一方では、仕事を求め地域外への流出や少子高齢化、人口減少が進み学校の統合や、廃校、間口の減少などの危惧もありました。次代を担う子供たちに、多くの体験や学びを得る機会が必要であり、生まれ育った地域と他地域に触れ合うことで郷土愛を醸成します。また、色々なモノ、考え方に触れ合う機会を創出し、興味や好奇心を抱き、自分の考えを他者へ伝え、相互理解や自身の必要性を感じることで、自身の意欲とアイデンティティの醸成へと繋げ、地域の輝きとなり魅力溢れる人財となる架け橋を提供するのは青年会議所の使命であると考えます。また、地域の活力を創出するスポーツは多くの可能性を秘めており、年齢や性別を問わず関わることができ、多岐にわたる関わり方ができます。学生のなかには、プロスポーツ選手になる夢を抱き、学業とスポーツに情熱を注ぎ、夢に向かって地域を離れる若者もおりますが、このまちには、各地より夢を抱き、集まる学生もいます。スポーツに情熱を注ぎ、まちで活躍する若者やスポーツに従事する方々の更なるスポーツ熱を引き出し、今一度、スポーツの推進を進め、スポーツの出来る環境や支える体制を構築し、スポーツを通して地域の活性化と魅力の一体感を創造しましょう。
【地域の魅力となる夕張川】
夕張川に鮭を戻そうと、2008年より稚魚の放流が始まりました。南幌まで鮭の遡上は確認されており、栗山町にもどるまで、南幌町、長沼町、栗沢町を遡上しますが、夕張川は、地域の農業用水に利用するため落差工が設置され、今では農産物豊かな地域へと発展しました。地域の発展には、必要不可欠であった落差工は、サケの遡上に関しては障害となってしまいました。夕張川河川事務所の御協力や市民活動を通して、障害となっていた落差工の改修工事が進み、2014年には栗山町と栗沢町の間に位置する、栗沢頭首工に魚道が完成し、2015年には「サーモンロード」と名称し、サケが川に戻る目標を達成することができ、更なる活動の目標として、自然産卵のできる川づくりを掲げています。町民の意識を夕張川や支流の雨煙別川に傾けるため、河川清掃をはじめ、サケの里親事業、稚魚の放流事業、また、地域の企業にも協力を頂き、ベネフィットベンダー型自動販売機設置の促進を行っております。また、栗山町は令和6年9月14日に、環境省が推奨するネイチャーポジティブに、北海道の地方公共団体に先駆け、道内で初の「栗山町ネイチャーポジティブ宣言」を表明しました。「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」自然が豊かになる考えのもと、地域の経済や政治の発展を促し、プラスにする活動です。南々そらちの発展を支えた夕張川を軸に、行政、企業をはじめ流域住民の想いを傾けるために、夕張川自然再生協議会の活動を支持し、地域のシンボルとなる夕張川を創造しましょう。
【ふるさと田舎まつり】
2017年より、夕張市・栗山町・由仁町・長沼町・南幌町の一市四町の魅力を、効果的に地域外へ発信する場を提供する組織として、ふるさと田舎まつり実行委員会は組織として立ち上り、青年会議所も実行委員会の構成員として参画しています。これまで、多くのご協賛、ご賛同、ご協力を頂きながら行ってきております。くりやま老舗まつりと同日の日程にて開催させて頂き、町外、各地遠方から多くの来町者の方々に足を運んで頂いております。一市四町の地域の食や文化・伝統の魅力を五感で感じて頂けるよう、また、当日だけでなく、持続的に地域の魅力を発信することが必要だと考えます。地域の魅力をさらに高めるために、ふるさと田舎まつり実行委員会の組織にさらなる賛同者を巻き込み、ふるさと田舎まつりを核に、一市四町のまち・企業・ひとの繋がりによって、魅力溢れる地域を栗山町から創出し、田舎まつりを通して、次代に誇れる地域の連携を創造しょう。
【結びに】
組織の理念も知らずに入会した私がこれまでに、多くの先輩の方々より貴重な学びや気づきを頂きました。「今のままで良いのか?」環境や自分自身を変えたいと思い入会した青年会議所は、外からではイメージの出来ない理念のもと活動しています。時間やお金のかかるものは、いくらでもプラスにすることが可能であるのです。自身の考え方や意識は、多くの方々の考えに触れ合うことで変化しますし、費やした時間は、お金では買えない「かけがえのない」ものとなり、自己成長への投資だと考えます。
我々が想い描くまちの未来は、だれが与えてくれるのか、明るい豊かな社会の実現に向けて、だれが行動を起こすのか。だれかが行動を起こすのを待つのではなく、積極的に行動を起こし、我々が、地域の変革の起点となる組織として、まちを想い行動する新たな人財を集め、まちの課題解決に向けた運動を継続して展開することが責務であります。地域課題に対し、英知を結集させ、青年だからこそ成しえること、失敗を恐れずに勇気を持ち挑戦すること、同じ志を持ち情熱のある仲間とともに、地域の課題に挑戦しよう。
ひとり一人の価値観が違うなか、まちを想い行動する同志を集め、見えたもの、感じたもの、多くの学びを具現化し、地域の発展に必要とされる組織で在り続けるために、仲間と共に、この地域の多彩な輝きが放つことを一途に想い、夢と希望で満ち溢れた未来を創造しよう。